子供って、凄い。

前々から1度花子に聞いてみたかったことがある。
だがそれをどのタイミングで聞くべきかを模索している間に今になった。
小学生の間よりも中学生になってからの方がいいかなと思い、中学生になってすぐにはもうちょっと精神的に大人になってからの方がいいかな、と考えている間に今になった。

現在花子の登下校グループは皆仲が良い。
部活が同じなこともあり、本当に毎日登下校を共にしている。
皆、本当に良い子ばっかりやで!と花子が言うくらい、その仲間は優しくて楽しい子ばかりなのだそうだ。

花子がそのグループと仲良くなった頃、車に花子を乗せて走っている時に

《ここが○○ちゃんの家やで!》

と教えてくれたそのお家はたまにダウン症の女の子を見かけるお家だった。とても利発そうな女の子で、1人でバスに乗っている場面を見かけたこともある。
その度に、あぁ、親御さんがしっかりと育てられたのだなぁと思っていた。
勿論見かけるだけで直接お話したことはないし、ただ単純に私が知っているだけなのだが。

《あれ?ここさ、ダウンの女の子がおるお家ちゃうかな?》

と私が言うと、花子は大層驚いた。

《え?そうなん?花子知らんわ!》

と言うので、○○ちゃんが自分で言って来るまではもしかしたらそうなのかな?くらいでいいんちゃう?と言った。
花子も

《まぁもしそんな話になったら聞いてみるわ》

と言い、その話は終わった。

それからしばらくして帰宅した花子がその話をし始めた。

《やっぱりママの言う通りやった。○○ちゃんのお姉ちゃんやねんて!》

と言う。

《○○ちゃんがそんな話をしてくれたから、花子も太郎の話してん》

と言う花子に

《○○ちゃんとか他の子は、それを聞いて何か言うてたん?》

と聞き返すと

《いや?皆、別に普通に【あぁ、そうなんや】くらいやったで?》

と言う。

ただ、その時の花子の表情には微かに安堵の表情があった。
花子にとってみれば、太郎の事を知らない友達に初めてそれを打ち明ける瞬間はやはりちょっと構えるのだと思う。

花子の仲間はその後も特別に兄姉について語り合うというようなこともなく、相変わらずゲラゲラ笑いながら登下校しているようだ。

そしてたまに

《○○ちゃんのお姉ちゃんな、△△支援学校に行ってたんやって。花子な、太郎が▼▼支援学校行ってんねんって言うたわー》

などの話を楽しそうに報告してくれる。

言葉にしなくても何か通じることや気持ちを感じることが出来る存在が近くに居てくれるのは、花子にとってもやはり安心出来るのだろう。



そんな話を楽しそうにしている花子に唐突に聞いた。
あれだけいつ聞こうかと迷ったにも関わらず、それはポロリと口から飛び出した。

《花子な、小さい時にな、太郎に障害があることをいつから分かってたん?》

一瞬質問の意味が飲み込めなかった花子は思いを巡らせているようだったが、すぐに

《いつからって聞かれて、ハッキリ何歳とは言われへんけどさ。花子自身の一番小さい時の記憶がある時には、もう分かってたで》

と言う。

《花子自身の一番小さい時の記憶は何歳くらい?》

と言う私の言葉に

《花子が話し始めたくらい。多分二歳になる前》

と言う。
私が驚いて

《え!それ、ちょっと話盛ってへん?》

と聞き返すも、花子は私のその言葉を頑として否定する。

《花子、その時はもう分かってた》

と真剣な顔で言うのだ。
その口調に嘘はない気がした。

私を含めた家族の誰かが小さな花子に向かって改めて太郎のことを説明した記憶はない。
全ては花子が本能的に理解していたのだということか。


以前にも書いたが、幼い頃の花子は色々と不思議なことを言う子だった。
けれどもそれを聞く度に何故か嘘ではない気がした。


《生まれて来る前、ここでにぃにと鬼ごっこして遊んでてん。でもにぃにが先に行っちゃったから、花子寂しかった》

楽しかった?

《楽しかったでー!》

まだ幼い花子がハッキリとそう言った時も、本当なのだろうなと思った。

そう思うと、太郎と花子が兄妹であるということには必ず何か意味がある。

太郎があれだけ花子を好きなのも、とても納得できるなと思った。


子供って、凄い。







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by ganbaru-okan | 2018-11-29 17:20 | 兄妹のこと | Comments(4)

先日、太郎の体育大会があった。
高校生初の体育大会だ。
さあ張り切ってお弁当作るぜっ!


…ところが当日の朝目が覚めたら6時半。
そりゃもう息が止まるほど驚いた。

しまったっ!大寝坊じゃんっ(;:°;Д;°:;)



今から四人分のお弁当作らなきゃなんないってのに。

子供の行事の日は、いつもの主人のお弁当もちょっと豪華になる素敵な日なのに(だっていつもは手抜きだから。おほほ♡)
それにしてもこんな日に、もうほんっと何やってんだ、私っ!

そこからはもう嵐のような時間だったよ。
お弁当を作りながらあれやこれやと用事を済ませ、とりあえず先に主人のお弁当だけを完成させた後、太郎の機嫌を見ながら着替えをさせてとりあえず通学バスに乗せた。
飛んで帰って三人分のお弁当を詰めながらビデオカメラの用意(←これすらしていなかった。さすが私)やら何やらをして車に飛び乗った瞬間に
《…はぁ…疲れた…もう1日が終わった気がする》
と呟いてしまった程だ。


主人は仕事だったので《じゃあクラブ休むわ♡》となぜかノリノリだった花子を連れて行く。

何故花子がノリノリだったのか。


実は太郎が高等部になってから花子は1度も太郎の学校に行っていないからだ。


《この目で見たい。噂の高等部(ㆆ_ㆆ)》


とある意味保護者よりうるさい妹は静かに言った。


…いや、怖いんですけど。それ。


太郎は頑張ってた。
一生懸命さが伝わってくる。
生徒の席から大きな声が聞こえるなと思ったらやっぱり太郎じゃん(;:°;Д;°:;)という場面も多々ありつつも、体育大会は無事に終了。

花子は沢山の先生に
《噂の花子ちゃん!》
と言われていた。

噂とは太郎がしょっちゅう花子の名前を出し、音楽の時間には花子の名前で替え歌まで歌っているからである。
花子ラブな兄は頼まれもしないのに、どこでも花子の名前を出しているのだ。
そんな訳で高等部の先生方は、花子の顔は知らないのにその名前だけが太郎の学校で独り歩きしていた。
花子にしてみれば《知らんがな》であろう。

沢山の先生に声をかけられた人見知りの花子は、控えめにそれなりに受け答えはしつつも、固まる。
だって人見知りだから(¯∇¯٥)
いつもの花子節は聞こえない。そりゃそうだ。あの状況で悪態はつけまい。

太郎を車に乗せて帰路についた時に
《何か自分の体育大会より疲れた…》
と呟いていたのには笑っちゃったが。

帰宅して高等部の感想は?と聞くと、まぁ出てくる出てくる(¯∇¯٥)
例の如くなるほど鋭いと思う意見も沢山あった。

その話の流れから、何故太郎はあんなにもうるさいのかという話題になる。

色々と話をしている時に、花子がポツリと言った。



《…でもな、花子、太郎の事誇りに思う》


と言った。

学校で皆の中に居る太郎を見て、そう思ったそうだ。
家では見れないその姿は、確かに妹の心に響いた。

良かったね、太郎。

出だしから寝坊したし、何だか本当に疲れたんだけど花子のその言葉でちょっと素敵な1日になった。

そんな日も悪くない。


寝坊しなきゃもっと良かったのにな、私よ(ㆆ_ㆆ)


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by ganbaru-okan | 2018-10-17 09:45 | 兄妹のこと | Comments(4)

まだ太郎も花子も小さかった頃。

幾度も家族で遊園地に行った。
正直、太郎を連れて遊園地に行くという選択は私自身の中にはあまりなかった。
太郎自身が本当に楽しめる場所なのかが疑問だったからだ。

でも主人は違う。
当然太郎も連れて行き、楽しませてやろうと言った。
勿論花子のこともある。
日頃我慢することが多い花子が楽しめることをしてやりたいという気持ちも十分に理解出来るので、主人の提案を断ったことはなかった。

色々な乗り物を見て花子の目が輝く。
子供の目に映る遊園地はまるで魔法の国ような場所だ。
あれも乗りたい、これも乗る!と楽しそうに言う花子の提案を主人は受け入れ、そして自身も、太郎も一緒に乗せてくれた。

花子と一緒にメリーゴーランドに乗る太郎や、観覧車で笑ってる太郎の写真が沢山残っている。

太郎が少し大きくなり、一人で抱き抱えることが難しくなってきた頃は専ら観覧車に乗せていた。
少しずつ動く観覧車に乗せるのも大変だったが、それでも乗せてやりたいと思った。

遊園地の乗り物に乗せることが難しくなってきた頃は、園内にある100円玉を入れて動く乗り物に花子と一緒に乗せたりした。
花子に後ろから支えてもらい、機関車や動く動物に乗り満面の笑顔の写真も残っている。
太郎は太郎なりに、遊園地を楽しめた。
私の気持ちは杞憂だったのだ。

動物園や水族館。
小さかった二人と共に沢山の場所に出掛けたのがついこの間のようだ。

最後に二人を連れて遊びに行ったのはいつだろう。

子供が大きくなるということは、少しの切なさを伴うのだなと登校していく二人の背中を見ながら思う朝だった。



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by ganbaru-okan | 2018-09-03 10:50 | 兄妹のこと | Comments(2)

本当に、良かった。

すっかりおっさんの太郎はマザコンであるが、シスコンでもある(¯∇¯٥)

何かあると
《花子ちゃんは?》
替え歌を歌うと
《花子お~ちゃ~ん~♪》
と花子loveが爆裂な16歳でもある。

世間的に見れば《気持ちわるっ!》と思われるだろうが、兄妹の関係としてはまぁそれもありだなとお許し頂きたい。

だが花子はもう自分の世界にどっぷり浸かっている中2女子なので、決して何かある度に
《太郎は?》
とか、替え歌を歌って
《太郎ぉ~くぅ~ん~♪》
とは歌ってはくれない。
当たり前だ。

太郎が花子に向かって
《花子ぉっ!褒めてぇ!》
と自分の何かを褒めろと主張していてもつれない中2女子は無言だ。

花子に褒められるのを今か今かとわくわくしながら待っている太郎を見るのがちょっと切なくなる母は
《ちょっと!待ってはるで!褒めたりぃや!》
と言ってみたりする。

そうしてやっと、花子は太郎を褒める、


《あー、凄いねぇー。凄い凄い》


……棒読みかよ(ㆆ_ㆆ)


だが、そんな棒読みであっても太郎は嬉しいようでニッコニコしている。
良かったなと言うべきか(¯∇¯٥)


先日YouTubeで自閉症を持っている兄妹の動画を見た。
それを見ながら
《あぁ、太郎と花子みたいだ…》
と思い、花子にもそれを見せてみる。

見た後、花子は言った。

《(お兄ちゃんが)歩けるだけ羨ましい。でも(内容は)よくわかる。》

その動画で妹さんは
《お兄ちゃんは頼りにはならへんけど、一緒におったら元気になれる》
と言っていたので、花子にも聞いてみる。

《太郎と一緒におったら元気になれる?》

花子は笑いながら

《自分が落ち込んだり、イライラしてる時に太郎が突拍子もないことを言うのを聞いて笑ってしまうことはあるな。そういう意味では元気になれるかも》

と言った。
そして

《いやほんまに太郎、ずーっと喋っててうるさいしさ。(荒れて)ギャーギャー言うたらうんざりするけどな》

と言うので

《ほんまにな。それはその通り。
でもな、花子、実は太郎のこと好きやろ?》

と言うと、笑顔のままちょっと恥ずかしそうに

《…うん。好きやで。》

と言う。

その言葉できっと太郎も、そして私も救われるのだ。

太郎、花子は君が好きなんだって。
君のその妹思いなところを花子はちゃんと分かってるよ。
本当に、良かった。












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by ganbaru-okan | 2018-08-07 11:00 | 兄妹のこと | Comments(0)

遺伝なのか環境なのか。

同じ親から生まれ、血液型まで同じなのに兄妹で性格が違うのは面白いなぁと思う。

例えば社交的なのは断然太郎だ。
逆に花子は小さな頃から人見知りである。
どこへでも行きたがるのは太郎だし、花子はそうでもない。
物怖じしないのは太郎で、人前では大人くしているもののじーっと周りをよく観察しているのは花子だろう。

この違いはそれぞれがもって生まれたものなのだろうか。
観察しているとなかなか面白い。

太郎の場合は自分だけでは行動できないという現実があるので、その全てを比較対象しにくいが。
でもきっと太郎にハンデがなかったとしても二人の性格は真逆だったように思う。

夏休みに入り、地域のお祭りもぼちぼち行われる時期になった。
私は花子に
《お祭り誰と行くん?》
と聞いたところ、返ってきた答えは
《いや、花子、行かへん》

何故だ!お祭りだぜ!血が騒ぐだろう!
と言ってみたが

《○○とか○○とか○○に誘われたんやけどさー。何か今回はいいかなと思って全部断った》
と言う。
《親公認で夜遊び出来る貴重な日やのに?( ⊙_⊙)》
と言ってみたが、気が向かん。今回は別にええわー、と話を終わらされたのだ。


考えられんっ( ⊙_⊙)
私なら喜び勇んで飛んで行く。
何があっても絶対行く。


きっと行きたがりの太郎なら友達からの誘いに飛んで行くだろう。


だからといって花子が友達の誘いを全部断るのかと言われるとそんなこともない。
一緒に宿題やってくるわーと出て行き、帰ってきたら謎のプリクラやら今流行りのTikTokやらを見せられることも多い。
一体何をしに行ったんだ?といつも疑問なのだが。


花子はマイペースで頑固だ。
友達の中では当然周りに合わせてはいるようだが、私の前では一度言ったら私が何を言おうがそれを貫く。
その姿勢は立派であるとも言えるし
《アンタいつか人生損するで》
とも言える。

ただ、彼女の良いところは
《変に真面目》
なところだろう。
夏休みの宿題はもう半分以上終わらせた。
変に真面目なところだけは褒めてやろう。

これが太郎なら

《何か毎日楽しいわぁ~♪夏休みって最高やん♪まだまだ夏休みあるし、宿題は後半頑張ろ~♪》
と調子に乗り、遊び倒して始業式前日に泣くタイプだと母は睨んでいる。

遺伝なのか環境なのか。
同じ食事を食べさせ、同じように育てたのにこの違い。
性格って本当に面白い。








 




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by ganbaru-okan | 2018-07-28 14:05 | 兄妹のこと | Comments(2)

ありがとう、花子

花子の夏休みの宿題で《人権》について書く、というものが出た。
老人やら虐待についてやらの幾つかの項目の中で《障害者について》という項目もあった。

花子は《どれにしようかな》と言っていたが、私は自分の意見は挟まずに花子の選択を待っていた。

実は花子は作文は苦手だ。
本を沢山読むのに何故だと思うくらいに、苦手なのだが。

今日仕事が終わり、LINEを確認していたら花子から《こんな作文にしてみた》と、作文の文章が送られてきていた。

内容は太郎のことだった。

花子が太郎のことを文章にしたのを初めて見た。
太郎のことを語るその文章は拙いものの、私は今までに花子が書いたどの作文よりも胸を打たれた。

正々堂々と太郎のことを書いているその文章を読みながら、不覚にも泣けた。

花子は花子なりに色々な気持ちを抱えながら成長してきたはずだ。
けれどもその作文には太郎、そして障害を持つ人達への気持ちが溢れていた。



ありがとう、花子。
母は感動して泣けたよ。
この作文は永久保存だ(๑˃́ꇴ˂̀๑)


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by ganbaru-okan | 2018-07-23 20:40 | 兄妹のこと | Comments(2)

『なぁ、ママには子供が二人おるやん?』
いきなり花子がそう言った。

『…いますけど、何か?(¯∇¯٥)』

『子供が二人おったらさ、どっちかだけが可愛かったりするもんなん?』

なんだどうした。
母の愛情が感じられなくなっているのか?
いや、その会話の前に虐待についての話をしていたのだ。
数人の子供がいる中で一人だけが親から…っていうパターンもある。
おちゃらけて話していた訳ではなく割と真剣な会話だった。


『いや。少なくともそんなことはないな』

『でもさ、明らかに太郎のことを優先するやん?まぁ花子は自分のことは自分で出来るからやけどさ』

えぇっ( ŏㅁŏ;)
貴女は未だに脱いだら脱ぎっぱなし、散らかしたら散らかしっぱなしですけど?(¯∇¯٥)
その状態で自分のことは自分で出来るとまで言い切るのも如何なものでございましょうか(¯∇¯٥)


『現実的に手がかかるという意味では確かに太郎やけど。でもさ、私にとって精神的には別に二人に全く優劣はないで』

何となくふーん、という顔で聞いてる花子に続けて言う。

『但し。例えば太郎が大荒れしてる時は花子って可愛いなぁと思うし、花子が反抗的な態度ばっかりとる時はあぁ太郎って可愛いと思う。まぁ母親とはいえそんなもんやな』

すると
『じゃあさ、太郎も大荒れ、花子も反抗的な時って、ママは《あぁ♡パパがやっぱり1番好き♡》って思うん?』





……な訳ないだろうが。




思わぬ方向からの変化球だ。
一瞬本当に唖然とした。


『いやいや。なんでやねん(¯∇¯٥)そんな時は《もうみんな嫌い》って思う』

と答えると何故か花子にウケた。

『そこはパパじゃないんや(≧艸≦)』


ないな。
残念ながら。
そんな訳がなかろう。

その辺については世の中のお母さん方に聞いて回っておいでとだけ答えておいた。

夫婦の色々を語るには、相手が中2はまだ幼すぎる。

ねぇ?世の中の奥様方(¯∇¯٥)







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by ganbaru-okan | 2018-06-16 19:55 | 兄妹のこと | Comments(0)

久しぶりの太郎が居ない貴重な日。
彼がいつ荒れるかとヒヤヒヤせずに済む日は、とにかくゆっくりしたいという願望は果てしなくある。

あるのだが、最近ショートを申し込むのは例えば花子の何かがあり私か太郎の面倒を見れないが故のショートだったりするので、ショートステイ本来の目的の《親のレスパイト》には当てはまらないことがほとんどだ。
誠に残念だが、仕方ないよね。

今回もまさにそれが理由なので、私は今、花子待ち真っ最中。
後二時間も待たなくてはいけない。
かといって一旦帰宅するには中途半端に遠いし(›´Δ`‹ )


この間突然花子に
『なぁ、ママは太郎が生まれてきて良かった?』
と聞かれた。
いきなりだったので一瞬返事に詰まった。
『そうやなぁ、色々大変やけどやっぱり良かったと思うで』
と答えると
『太郎に障害がなかったら良かったのにって思ったことある?』
と更に聞いてきた。
『そらあるで。未だにやっぱり思うよ。花子はいつか自分で自立するけど、太郎はやっぱり難しいやん?そんなこととか、太郎のあの荒れで心が折れたらやっぱりそう思ってしまう』
と正直に言った。
綺麗事ばかりを言っても花子には見破られてしまう。


花子が中学生になった時に
『別にいいねん。いいねんけど…』
と新しく出来た友達に太郎のことを知られることを嫌がっていた時期があった。
小学生の時の友達は大半が太郎のことを知っていたし、それが原因で嫌なことを言われたりしたことは幸いにもなかったようだ。
けれど、相手が新しい友達となると花子の葛藤は痛いほど分かる。


太郎の障害が知られることを嫌がる花子に対して私は何も言わなかった。
花子がいつか自分のタイミングでそれを口に出来る日が来たらいいな、とは思っていたけど。
先々ずっとそれを言えなかったとしても、それはそれでいい。
全ては花子が決めることだ。


先日、いきなり花子が
『◯◯(今1番仲の良い子)に太郎のこと話してん』
とサラリと言ったので
『そうなんや。で、◯◯はなんて言うてたん?』
と聞くと
『《そうなんや!》って』
『それだけ?』
『うん。それだけ。◯◯は、だから?って思ったんやと思う』
そう話す花子の顔はとてもスッキリしていた。

自分でちゃんとタイミングを見計らって口に出来たその勇気を心の中で褒め称えたよ。


何気ないことかもしれないが、花子にとってはとても高い山だったと思う。

花子なりに太郎のことを受け止め、受け入れているんだなぁと思うと何ともいえない優しい気持ちになれた。


因みに花子に
『花子は太郎がおって良かった?』
と聞くと
『あの人最近ほんまにうるさいやん?腹立つこともあるけどさ、良かったんちゃう?太郎がおったから、やっぱり分かったことも一杯あったし。ほんまは太郎に障害がなかったら一緒に武道やりたかったなってそれだけが残念やな』
と答えた。


太郎不在のこの夜に思うのはやっぱりそんな二人のことだ。
つくづく母親だなぁ、私(¯∇¯٥)









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by ganbaru-okan | 2018-04-28 19:50 | 兄妹のこと | Comments(0)

春の訪れと共に復活を遂げた太郎の荒れは今朝も絶好調だった。

もうほんとどうにかならんのか(´×ω×`)

勝手にイライライライラされても、私にゃもうどうしようもないよ。

ちょっと綺麗になっていた私の手の甲がまたもや傷だらけになってきている。
白魚のような手に戻るまで後ちょっとだった(かどうかはわからん:笑)のに、またもや振り出しに戻ってしまったじゃないか。

話は変わるが、現在太郎と花子が春休みの我が家は何だかのんびりしている。

太郎は朝食後はデイのお迎えが来てくれるまでずーーーっと喋り続け、その合間に太郎の機嫌を見ながら服薬だったり着替えをさせればいいので、私自身もいつもに比べて格段にゆったりだ。

花子もクラブがない日はゆっっくり起きてきた後はテレビの前から動かない。気が向いた時に朝食を食べ、約束がある日はそのまま遊びに行き、約束のない日はちょこっと宿題をした後はこれまたずーーーっとダラダラしている。

いいよなぁ、学生って( ¯−¯٥)

しかしながら、である。
もうすぐ新学期じゃないか。

と言うことは、またあの朝のバタバタが始まるのだ(´Д`|||)

とりあえずは太郎の入学式だ。毎日こんなペースで生活していて、当日時間に間に合うのか。
太郎は太郎で時間内にちゃんと準備をさせてくれるのか(´Д`|||)

あぁ、本当にドキドキするぞ。

頼むぜ、太郎。
とりあえず入学式の日だけは頑張っておくれよ(╥_╥`)

そしてもう1つ。
毎日絶好調に荒れている太郎君。
毎日ダラダラしながら雑誌を私に見せて『この服可愛いやろ?買って~♡』
と言う花子ちゃん。

二人揃って調子にのるなっ!!
ほんと、いい加減にしろよっ( º言º)










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by ganbaru-okan | 2018-04-02 19:45 | 兄妹のこと | Comments(2)

海にて…

数年前、まだ小学生だった子供達を連れて家族旅行に行き、その中に海水浴も組み込んだ。

海水浴という響きだけ聞けば
《あら微笑ましい♡》
ってなもんだが、太郎を連れての海水浴はなかなかハードだ。

先ず砂浜に降りるには大抵階段があったり段差がある。
そして砂浜での車椅子操作がどんなに大変かご存知か。
そんな風に数々のハードルを越えなければならない。

だがその頃の太郎は今よりは体重も軽かったし、旦那と二人で頑張ればまだ何とかなった。
なのでその時も二人で太郎を階段(それも割と段差がある長めの階段だった)の下まで下ろしたのだよ。
若かった( T ^ T )
あの頃の私達は本当にまだ若かったのだ。
…二人共年老いた今は、しみじみともう無理だと断言出来る(¯∇¯٥)


その海水浴が太郎と花子にとっては初めての海。

遊んでいる途中に水が口に入って
《しょっぱい( ⊙_⊙)》
とビックリしていた花子。
大きい波が来て
《こわい……》
と言った太郎。


しばらく海で遊び、休憩で砂浜に上がった。
太郎は砂浜にあぐら座位で座らせ、私は二人にお茶を飲まそうと鞄をガサガサしていた。
その時に旦那が
《ママ!ちょっと見てみ!》
と言うので振り返ると、太郎が座ったまま砂を左手で掴んでは
《ポーイッ!》
と言いながら投げ、また掴んでは投げしながら1人で遊んでいた。

元々砂遊びは大嫌いだった太郎。
その太郎が、いつもなら姿勢を保てずに崩れてしまう背中が本当に綺麗に伸び、ただ無心で砂で遊んでいた。

そこに花子が加わり、二人が楽しそうに遊び始める。
花子は太郎が出来ることを上手にさせてやり、太郎は花子の動きや言葉に笑っていた。


何だか思い出すだけで胸がキュンとする。


二人は世の中の一般的な兄妹という関係とはまた違う兄妹関係だと思う。

けれども太郎は未だに花子が大好きで、どこかでちゃんと自分は兄貴だという自覚もあるようだ。

花子ももう昔のように太郎にベタベタしなくなったが、太郎を取り巻く人々を冷静に観察し、太郎のことを大事にしてくれない人のことは《嫌い》と言う。

あの時の二人の姿が目に焼き付いている。
本当に大切な思い出だ。


因みにちょっとアレな話になるんだけど。
その日は朝から雨が降っていた。
私は空に向かって

『勝手なお願いで申し訳ありませんが、どうしても太郎を海で遊ばせてやりたいです。1時間だけでいいので雨を止ませて下さいませんか?』

と心の中で言いながら祈った。
すると本当に二人が遊ぶその間だけ雨が止み気温が上がり、空が晴れ渡ったのだ。

『ありがとうございます。本当にありがとうございます』

と心から御礼を言ったよ。

子供は神様に守られている。
太郎も花子も初めての海デビューは楽しい思い出になった。

楽しい思い出を沢山増やしていきたい。
もうなかなか難しいけどね(¯∇¯٥)



















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by ganbaru-okan | 2018-03-29 13:30 | 兄妹のこと | Comments(2)