課題

訪問介護をしていた時に出会ったある1人の利用者さん。
彼女は私と同年代だったが、訪問当初はなかなか心を開いて頂けずお話もして貰えなかった。
元々支援員さんからの電話以外は取らない方でお家に上がらせて貰えるのも支援員さんだけだったそうだ。

そのお家には家事援助で訪問。内容はお掃除と調理だ。

お返事はなかったが、私はずーっと話し掛けながら仕事をした。
私のしつこさに根負けされたのか私の人となりを理解して頂けたのかはわからないが、その内にポツポツと返事をして下さるようになりいつの間にかご自分から色々な事を話して下さるまでになった。

色々な話をする中で、その方が今不安に思っておられる事やその他色々な情報を然り気無く聞き取り、必要ならばケアマネや相談支援員さんにお知らせすることも介護員の必要な仕事である。
それと共にその方の食の好みや生活習慣等も然り気無く聞く。
その方の希望するサービスをする為に必要な情報は手に入れておかねばならない。

その方には娘さんがおられる。
直接お会いした事はなかったが、その方を通じて娘さんとお手紙のやり取りをさせて頂けるようになった。

事業所を閉めることになったと告げた時に、その人は泣かれた。
okanさんだから良かったのに、と。

仕事をしていた当時、私の中で仕事とプライベートは切り離していたし、ある意味そうしなければ精神的にとてもしんどかった。
なのでどんなに頼まれても利用者さんにプライベートの連絡先を教える事は一切なかった。

そんな私がその人に《お願いだから》と言われて連絡先を渡した。
何故なのかは自分でも未だに分からない。

訪問をしていると利用者さんに対して思い入れが強くなりすぎることがある。
特に新人の間に多いが、ベテランになるとその思い入れは《この人は私じゃないとダメ》という勘違いになる。
利用者さん自身もそう思ってしまうと他のヘルパーは非常に仕事がやりづらい。
ベテランのヘルパーがそうやってある意味利用者さんを自分の意のままにし、ヘルパー自身が他の事業所に移る時に利用者さんをごっそり引き連れて移ることは介護業界では日常茶飯事だ。
なので辞められた事業所にしてみれば、ヘルパーもいなくなり利用者さんの数も減るという二重の痛手となってしまう。

私は正直、その人に対しての思い入れが強すぎたということもなかった。
ただ今まで支援員さん以外の誰も受け付けなかったその人の世界を少しでも広げたいとは思っていた。
そのキッカケが私であるならば出来ることは何でもするつもりでもいたのだ。

仕事を辞めてから、本当にたまにその方からメールを頂く。

okanさん、もう訪問の仕事はされないんですか?
okanさん、娘がokanさんカムバック!と言っています。

そのメールを読むたびに心がざわつく自分がいる。


太郎が今お世話になっている新しい方の事業所の皆さん。
太郎はその方達が本当に大好きで大好きで、来て下さる日はもう本当にウキウキしながら待っている。
ヘルパーさん達が来ると誇張ではなく、ずーっとヘルパーさんと太郎の笑い声しか聞こえない。 

ニコニコで入浴を終えて私に
《おかぁさぁぁんっ!上がったよぉっ!(≧艸≦)》
と大声で報告してくれる太郎と、その太郎にずーっと話し掛けてくれてるヘルパーさんを見る度に、何て尊い仕事なんだろうとしみじみと思う。

自分が働いている間にはそんなに実感することはなかったのに。

太郎はヘルパーさん達が大好きで、来てくれるのを心待ちにしている。

あの方もそうだったのだろうか。
もしかしたら今でもそうなのだろうか。


もう二度としないと思っていた介護業界だが、この頃少し気持ちが変化してきた。ただ、どっぷり業界に戻ろうとは思えない。それに腰がこれなので身体的な介助はもう無理だけれど。


きっと心のどこかで私はその利用者さんの笑顔がもう一度見たいと思っているのだと思う。


戻るべきか。
いや、もしかしたら私の独りよがりなのか。


今年はその辺も自分の課題としてじっくり考えたい。














Commented at 2019-01-05 09:56
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ganbaru-okan at 2019-01-05 10:43
鍵コメさん。

どうもありがとうございます。
ちょっとテレますが(笑)

自分がどうしたいのか、何が出来るのかをじっくり考えたいです。

結論が出たら、またご報告しますね♡

Commented by m-kumatta at 2019-01-06 17:20
実は私の母もヘルパーをしています。
母は、この仕事大変なこともあるけれど私は大好きで、自分が動けなくなるまでやっていたいと思うと、いつも私にそう言います。
きっとそれは、母もまたokanさんが感じているのと同じようなことを、介護の仕事に感じているからなのだと思います。
いろんな条件や状況があるでしょうから、軽はずみなことは言えませんが。
自分の心を、心から込められるものと向き合ったとき、人は一番輝くのだと思います。
実際、私の母は12年前よりずっと心身共に生き生きとしております (*^^*)
Commented by ganbaru-okan at 2019-01-06 22:21
> m-kumattaさん
そうなんですか!お母様も!

面白い仕事だと思うんですよ。
でもだからこそ、のしんどさが意外とヘヴィーだったりもして。

お母様のように心からあの仕事をやり続けたいと思えるのか、じっくり考えてみようと思います。
by ganbaru-okan | 2019-01-04 11:05 | 色々思う事 | Comments(4)