学童保育

地域によって呼び方が違うみたいだが、学童保育をご存じだろうか。
親が仕事などで不在の小学生が放課後を過ごす場所のことだ。
低学年の間は特に家で1人で留守番させるのは不安だし、長期休暇も開所しているので親は安心して働けるのだ。

実は太郎は小学生の6年間、学童に通っていた。
元々進学先を支援学校にするか地域の小学校にするのかを悩みに悩んだ末に今の支援学校を選択したのだが、そこでふと気付いたのだ。
『この子はこの先、地域の子供とは関わらずに生きていくのか』
それは悲しいなぁと思ったものの、学童ってどんな場所でどんな雰囲気かも全く知らなかった私はある日太郎を連れて見学に行ってみた。
初めて訪れた学童は、正直、衝撃だった。
これはなんなんだ!
部屋は狭い。そして凄く賑やかじゃないか、と言うよりうるさい。うるさすぎる。
ここに太郎を預けて太郎は本当に楽しめるのか?太郎を通わせたいのは私の身勝手じゃないのか。
葛藤している私にある人が『嫌ならいつでも辞めれるんやし。とりあえず申込みしたら?』と言ってくれた。
そうだな、いつでも辞めれるもんな。
そう思って太郎の学童生活はスタートしたのだ。

色々とエピソードはあったが、結論から言えば太郎にとって学童生活は非常に良かった、と思う。
皆の中で生活を重ねてこれた経験は今の太郎の土台にもなっている。
周りの子は優しかったし、そして何よりやはり先生方のお陰だった。
太郎の発作や体調を考慮しつつも特別扱いはせず皆の中で過ごさせて頂いた。
まるで母親のような対応に感心したことも多かった。
保護者の方々にも随分助けて頂いた。

勿論嫌な思いをしたことが皆無だった訳ではない。だけれどもそんな事はどこに行こうがある事なのだ。

子供達は純粋な分、直球で来る。
何故太郎が歩けないのか、何故太郎は皆のように話せないのか、疑問はどんどんぶつけてこられた。だがそれは自然なことだ。
私は子供達が納得いくまで説明したつもりだ。皆、ぼんやりとは理解してくれたと思う。

こんな話をすると
『太郎君がラッキーやっただけやん!』『それを他の子も同じように出来るとか、して貰える保証なんてないやん!』と思われる方がおられるだろう。
確かに太郎は恵まれていたと思う。
けれどもそれは太郎自身の頑張りや、当然先生方や私や主人の頑張りもあってこそだったのだ。自然に全てが整っていた訳でないことだけはお伝えしておきたい。

小学生になった花子も、もれなく学童に入り太郎と花子が同じ場所に通った。

実はそれが私の最大の目的だった。
療育園から支援学校に進んだ太郎と保育所から地域の小学校に上がった花子。二人が同じ場所に通えるチャンスは将来的に考えても学童しかなかった。
幸いにも太郎が先に通っていたお陰で、花子が周りの子供達から太郎の事で嫌な思いをさせられた事はなかったらしい。有り難い事に。

今は支援学校に通う子供達が放課後を過ごす場所は児童デイが主流になり、あまり学童を利用する子供はいないと聞く。
確かにデイの送迎は魅力的だし職員さんも学童の先生と比べれば当たり前だが障害理解がある。何から何まで任せておける。学童のように親が色々役割をしなくても済む。
なのでそちらに流れてしまうのもよくわかるんだよ。

だけど。
地域の学童保育は小学生の間しか利用できない。
そして何より地域の人や同年代の子供達に存在を知って貰える。
学童を卒業しても道で会えば太郎に声をかけてくれる。
あの時期を共に過ごした仲間として、大きくなっても子供達の胸の中にお互いが存在するのだ。

少なくとも今のところ私の居住する市の学童には看護師の配置がない。
医療的ケアを必要とされるお子さんには厳しい現実だと思う。

全ての子供達が利用できる体制が整ってくれたらいいな。
そうすれば多くの子供達がもっともっと豊かな小学生時代が送れるのに。

もし今、学童かデイかを迷っておられる保護者の方がおられたら一度勇気を出して見学に行ってみて下さい、と言いたい。
通わせてみなければわからない事は多い。
選択肢は多い方がいい。
ダメだなと思ったら、辞めればいいのだから。














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by ganbaru-okan | 2017-03-03 19:50 | 息子・太郎のこと | Comments(0)